
第六回 「つながろう!子育てカフェ」では、
大正大学人間学部アーバン福祉学科教授、NPO法人ホームスタートジャパン代表理事、プレイパーク世田谷理事長 西郷泰之先生にご登壇いただき、 「児童福祉法改正と子どもを守る地域の実現」 というテーマで、 「子ども家庭をめぐる課題」「近年の対応策」 「こうした中での改正」「背景としての子どもの権利条約」 「形を作ればいいのか?」「健全育成から成育支援へ」 「子どもへの活動で大切なことは何か」 等など、大変濃く参考になる内容を、わかりやすく市民向けに教えていただきました。
平成28年5月27日、「子どもの権利条約」を基本理念として明記した児童福祉法改正が成立しました。日本が「子どもの権利条約」を批准してから22年。初めて、子どもが“権利の主体”として位置付けられました。子どもの権利条約では、「子どもの最善の利益」のために何をすべきか。「子どもには、意見を表明する権利がある」「周りの大人、団体は子どもの意見をきちんと聞く」ということが明記されています。ほか、里親や児童養護等日本はこの分野で遅れを指摘されていたのです。
「バリュー」=「価値」「目的」を実現するためにという一貫した姿勢を貫いているか。共有しているか。形骸化していないか。自己目的化していないか。 などは、大人の都合、社会の都合を優先しがちな、これまでの古い考え方との戦いであり、自己変革、意識変革を迫られる課題であり、とても奥の深い問題提起をいただいた気がします。
西郷先生によると、児童福祉法が制定された当時は子どもの外遊びを応援する言葉が盛り込まれ、予算のない中で児童遊園が設置されたそうです。しかし最近は保育園でも外遊びが減り、児童館や子ども家庭支援センターでも屋内遊びが中心となる施設が増えています。外遊びが子どもの成育を支援するという科学的研究の裏付けもあり、外遊びを大いに推奨したいのことです。
【成育支援】という言葉は、「健全育成」という言葉のニュアンスに「子どもを大人が健全に育てる」という大人が主語で上から目線が含まれるのに対して、西郷先生が作られた言葉で、育つ主体が子ども、子どもが育つのを応援するのが大人の役割、という意味があるそうです。
後半のワークショップでは、 「西郷先生のお話を受けて江東区に子育てネットワークを作るとしたら。 自分は今、子どもの安心と安全を守るために何ができるか?」 をテーマに各テーブルで話し合っていただきました。
外遊びについて話し合ったグループでは、 ☆「乳幼児の外遊び」必要性はわかるがストレスになっている面もある。おもちゃの取り合い、帰るときに泣く、など。⇒発達の知識や子どもへの対応などを広めることも同時に必要。⇒子育てアドバイザーが公園遊びを見守る ☆ある程度大きくなった子どもの自由な遊びを見守るボランティアさんがいてほしい 等のアイデアが出ました。


Comments